1. 入試における「得点調整」とは?なぜ行われるの?
得点調整とは、結論から言うと「選択科目や試験日程による不公平をなくすための点数補正」のことです。
例えば、選択科目で日本史と数学があったとします。その年の日本史がとても簡単で平均点が80点、逆に数学が激ムズで平均点が40点だった場合、そのままの点数(素点)で合否を決めてしまうと、数学を選んだ受験生が圧倒的に不利になってしまいますよね。
このような「問題の難易度による有利・不利」をなくすために、大学側が独自の計算式を用いて点数をならす作業が「得点調整」です。
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主な得点調整の2つの方式
関西の私立大学でよく使われるのは、主に以下の2つの方式です。
- 中央値補正法:受験者の中で「ちょうど真ん中の順位だった人の点数(中央値)」を特定の点数(例えば50点や60点)に置き換え、それに合わせて他の受験生の点数も引き上げたり引き下げたりする方式です。真ん中の人が60点取っていれば50点に下げられ、真ん中の人が40点しか取れていなければ50点に上げられます。
- 標準得点方式(標準化):平均点や標準偏差(受験生の点数のばらつき具合)を用いて計算し、どの科目も平均点が同じくらいになるように調整する方式です。
他塾の動画ですが、よくまとめてくれているので参考までに。
受験生が気をつけるべきポイント!
得点調整が行われると、自分が実際に解いて丸つけをした点数(素点)よりも、点数が下がってしまうことが多々あります(特に平均点が高くなりやすい文系科目は下がりやすい傾向にあります)。
そのため、過去問を解く際は大学が公表している「合格最低点」を素点でギリギリ超えるだけでは安心できません。「合格最低点+10〜15%の点数」を素点での目標ラインに設定して勉強することが、合格への絶対条件となります。
例えば、赤本の合格最低点が300/500(60%)だったとしても、実際の合格最低点は350/500(70%)ということがよくあります。これを知らずに、赤本の合格最低点を鵜呑みにすると痛い目にあいます。
それでは、各大学の紹介とともに、それぞれの得点調整の仕組みを解説していきます。
2. 産近甲龍の得点調整の仕組み
産近甲龍(京都産業大学・近畿大学・甲南大学・龍谷大学)は、いずれも多くの学部で選択科目制を導入しており、厳密な得点調整を行っています。
京都産業大学
【大学紹介】
京都市北区に広大な一拠点キャンパスを構える総合大学です。すべての学部の学生が同じキャンパスで学ぶため、学部を超えた交流や文理融合の学びが盛んなのが特徴です。
【得点調整の仕組み】
京都産業大学では「標準偏差を用いた得点調整(標準得点方式)」を採用しています。
試験日ごとの問題の難易度差、および選択科目間における不公平をなくすため、個々の受験生の点数と全体の平均点・標準偏差を用いて補正を行います。平均点が高かった科目は点数が下がり、平均点が低かった科目は点数が上がる仕組みになっています。
近畿大学
【大学紹介】
大阪府東大阪市に本部を置き、志願者数で日本トップクラスを誇る巨大な総合大学です。近大マグロなどの研究力だけでなく、非常に勢いのある大学として全国的な知名度を誇ります。
【得点調整の仕組み】
近畿大学の個別学力試験では、「中央値補正法」によって得点調整を行っています。 各試験日・学部・選択科目ごとに、「真ん中の順位の人の点数を50点(100点満点の場合)」に置き換えて全体の点数を調整します。ただし、産業理工学部や短期大学部など一部の学部においては得点調整を行わないと公表されているため、自分が受ける学部の入試要項を必ず確認してください。

甲南大学
【大学紹介】
兵庫県神戸市の閑静な住宅街(岡本)にキャンパスを持つ、おしゃれで落ち着いた雰囲気の総合大学です。少人数教育に力を入れており、学生と教員の距離が近い「ミディアムサイズの大学」として人気を集めています。
【得点調整の仕組み】
甲南大学でも、選択科目間の難易度による有利・不利をなくすために「中央値補正法」を採用しています。
選択科目間で得点調整が行われるため、素点で高得点を取ったとしても、その科目の平均点(中央値)が高ければ点数が圧縮される可能性があります。過去問演習では素点で7〜8割を安定して取れる力をつけておくことが重要です。
龍谷大学
【大学紹介】
京都府にメインキャンパスを置く、仏教系の伝統ある総合大学です。深草キャンパスのスタイリッシュな施設や、充実した学習環境が受験生から高く評価されています。
【得点調整の仕組み】
龍谷大学も、選択科目間の有利不利を是正するために「中央値補正法」を導入しています。
日程間や科目間での不平等をなくすため、受験生の中央値を50点とする方式で得点調整が行われます。龍谷大学は問題の難易度が比較的標準的で高得点勝負になりやすいため、ケアレスミスによる失点が調整後の点数に大きく響くので注意が必要です。

3. 摂神追桃の得点調整の仕組み
摂神追桃(摂南大学・神戸学院大学・追手門学院大学・桃山学院大学)においても、科目間の不平等をなくすための措置が取られています。大学ごとに細かいルールが異なるため、しっかり確認しましょう。
摂南大学
【大学紹介】
大阪府寝屋川市などにキャンパスを持つ総合大学です。文系学部から薬学部・看護学部などの医療系、理系学部まで幅広く揃っており、実学教育に非常に力を入れています。
【得点調整の仕組み】
摂南大学の一般選抜では「中央値補正法」による得点調整が行われますが、基準が他大学と少し異なります。 多くの大学が「中央値を満点の50%」とするのに対し、摂南大学では「各受験科目の中央値にあたる受験生の得点を、満点の60%に置き換える※」という独自の補正値を設定しています。公表されている合格最低点はすべて得点調整後の点数です。
※60%設定の方が点数は高く出やすいので、他の大学と比較すると優位に働きます。
神戸学院大学
【大学紹介】
兵庫県神戸市(ポートアイランドなど)に広大で美しいキャンパスを構える文理総合大学です。法学から薬学、栄養学まで多彩な学部を有し、神戸の街を舞台にした実践的な学びが魅力です。
【得点調整の仕組み】
神戸学院大学では、選択科目において試験問題の難易差に基づく大幅な平均点差が生じた場合、不公平をなくすために得点調整が実施されることがあります。年や日程によって状況が変わるため、最新の入試要項で当該年度の取り扱いについて必ず確認をするようにしてください。
追手門学院大学
【大学紹介】
大阪府茨木市に位置する、近年非常に勢いのある総合大学です。新キャンパスの開設や、アクティブラーニングを取り入れた革新的な教育プログラムで、受験生からの人気が急上昇しています。
【得点調整の仕組み】
追手門学院大学の一般入試においても、科目間の難易度差をなくすために、平均点や標準偏差を用いた得点調整(標準得点への換算など)が実施される場合があります。科目ごとの有利不利が生じないように設計されているため、受験生は「いかに自分の選択科目で平均点以上の高得点を取るか」に集中することが求められます。
桃山学院大学
【大学紹介】
大阪府和泉市にキャンパスを持つ、キリスト教系の大学です。国際教育や語学、リベラルアーツ教育に定評があり、自由でオープンな学風が特徴です。
【得点調整の仕組み】
桃山学院大学では、入試問題の難易差による有利・不利が生じないよう「中央値補正法」を用いて得点調整を行います。調整後の総合点で合否判定が行われます。ただし、大学入学共通テストの結果を利用する場合(大学入試センターですでに調整済みのため)や、外部の英語資格試験等による「みなし得点」については、再度大学側での得点調整は行われません。
4. まとめ:得点調整に負けないための戦略
ここまで、産近甲龍・摂神追桃の得点調整の仕組みについて解説してきました。
得点調整の方式が「中央値補正法」であれ「標準得点方式」であれ、受験生がやるべきことはただ一つ。
「過去問演習の段階から、公表されている合格最低点プラス10〜15%(素点で7〜8割)を目標に勉強すること」です。
得点調整は「点数を下げるための意地悪な仕組み」ではなく、「どの科目を選んでも公平に実力を測るための優しい仕組み」です。特定の科目が極端に不利になることはありませんので、まずは自分の得意な科目・選んだ科目の基礎を徹底的に固めましょう。
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【このブログの塾長】
大石祐毅
はじめまして。
産近甲龍専門塾イノベイトの代表大石です。大学受験は、お子さまにとっても、
保護者の皆さまにとっても、先が見えにくく不安の多いものだと思います。
だからこそイノベイトでは、塾長である私が、指導の中心に立ち、直接お子さまを見ています。入塾から受験本番まで、
学習状況・理解度・モチベーションの変化を常に把握し、
必要に応じて学習計画の見直しや声かけを行います。
産近甲龍の入試は、正しい方向性で取り組めば、
きちんと合格を勝ち取ることができる大学群です。イノベイトでは、全国で唯一産近甲龍に特化した分析をもとに、
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それが、イノベイトの指導姿勢です。
大切なお子さまの受験を、
安心して任せていただける塾でありたいと考えています。




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